- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/06/17
- メディア: 新書
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亡国の悲劇とは,人材が欠乏するから起こるのではなく,人材がいてもそれを使いこなすメカニズムが機能しなくなるから起こるのだ.
民主主義政体下の有権者とは「何をやったか」で支持するのではなく「何かやってくれそう」という想いで支持を寄せるのである.
危機を打開するには,何をどうやるか,よりも,何をどう一貫してやりつづけるか,のほうが重要です.打開策の効果はすぐには現れないので,その間に巻き起こってくる不安や抗議には耳も貸さずにただひたすらやりつづけるしかないからです.
日本がしたのは侵略戦争であったとか,なかったとかいう論争は不毛に思う.はっきりしているのは日本が敗れたという一事で,負けたから侵略戦争になってしまったのだ.
戦争を知らない世代に知らせるために,戦時中と戦後の日本と日本人を振り返って示す.そこで論じられるのはただ一つ.どうやれば日本は二度と負け戦をしないで済むか,である.