人に強くなる極意

佐藤優さんの本.
てっきりインテリジェンスの話かと思ってたけど,
読むとだいぶと違った.
でも,最近の悩みとマッチしていて面白く読めました!
いかに心の平穏をKeepできるか!

びびらないためには相手や対象を知り,相手の本質や意図を見極めることが重要です.外交の世界では「相手の内在的論理を知る」という表現をします.相手の価値観はどのようなもので,どんな意図と論理で行動しているのか.それがわかれば,相手が何を言おうがどんな威圧をしてこようが,冷静に対応できる.
特に特捜の常識として「官僚・商社マン・銀行員・大企業社員といったエリートは徹底的に怒鳴りつけ,プライドを傷つけると供述をとりやすい」というのがあるそうです.

最も避けるべきは,自分の立場を盾にして自分より弱い立場の人間にいきありをぶつけること.たとえば出入りの業者であるとか,派遣できている人とか,そういう立場の弱い人に自分の立場の強さを背景に怒るのは絶対に避けるべきです.

怒りが湧いてきたというときに,この感情がなぜ出てきたのか,どこから出てきたのかを客観的に分析するのです.たとえばこの怒りは嫉妬からくるものなのか,コンプレックスからくるのか,あるいは焦りからなのか.そうやって自分の感情を客観的に分析していくと,実は怒りそのものが自分自身の誤解や思い込み,間違った判断から生まれてきていることに気付きます.

カルトとか暴力団とか暴走族に入って法を犯す人の多くが,そういう組織の中である種のマインドコントロールを受けているというんです.そういう組織には独自のルールが出来上がっていて,そのなかで評価されるために自ら進んで犯罪的な行為に走るという構図がある.これが極端になるとブラック企業のようにつながる可能性もある.ポイントは,自分を大きく見せたい,飾りたいという意識が強い人ほど,このカラクリにすっかりはまってしまうことです.こういうものにどっぷりと浸るのではなく,引いた目線でそのカラクリを認識しておく.どこか冷めた目で世の中を客観視し相対化することが大事です.

おすすめするのは「内省ノート」です.人から忠告や批判を受けたとき,その瞬間は感情的に腹も立つし,その言葉を受け入れることが難しいでしょう.ですが家に帰って一人になったとき,ノートに相手の言葉を書き出してみる.書き出す行為自体で自体を客観的に,冷静にとらえる準備が整います.そして自分に「侮り」があるとしたら,たとえばこういう部分かもしれないということを箇条書きにしてみる.ここまでできれば,もはや「侮る」ことはなくなるはずですし,これを習慣化することで,心の中の慢心に素早く気付けるかもしれません.

日本には政治家や指導者層の「侮り」の歴史もありますが,同時に庶民には「畏れ」を知る文化が根付いています.神様仏様,お天道様に八百万の神.森羅万象を畏れ敬う言葉と心がある.そのDNAを僕らは脈々と受け継いでいるはずです.

まず基本的なことですが,単なる労働力になってしまったら,賃金はそれこそどんどん下がっていく可能性がある.一芸に秀でたスペシャリストになる.その道のプロ・職人になって代わりのきかない人材になる.

目標が明確になったら,期限を区切ってみましょう.次に大切なのが「あきらめないこと」を一つではなく複数設定すること.一つのことだけあきらめずに追い続けると,どうしても視野が狭くなりがちです.