- 作者: 薮中三十二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/10/14
- メディア: 新書
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俎上にあがった問題に対する言い訳と,具体性のない対応策では,相手に売れない.「問題を認め,その上で,対策は大胆に,かつ目標は明確に」がポイントなのだ.
「中国は反応しないからやりにくい,それに比べて日本は敏感に反応した」という指摘には苦笑せずにはいられなかった.日本は敏感に反応しすぎる,というのは確かに当たっていたからだ.
「動じない」「言い訳しない」「相手を攻撃する」というパターンであり,日本の反応とは正反対である.この中国の対応は注目に値する
多くの外国人識者が「なぜ日本ではデモグラフィー(高齢者が増え,それを支える現役世代が減ってゆく,人口動態の変化)が差し迫った危機として受け止められないか,まったく不思議だ」という.
交渉の場に臨む前に,まずは相手方をよく研究しておくことである.
- 相手の国が何を狙っているか
- 交渉と結論を急いでいるか
- 相手国の力はどのくらいか
- 交渉担当者の人となり,国内における力量はどうか
もっとも大事なことは,交渉相手との間で信頼関係が築けるか,だ.
- ウソをつかず,欺かない
- 絶対に必要なことと,融通の効くことを分け,優先順位を相手に分かるように伝える
- ダメなこと,デリバーできないことは,はっきりと言う
攻撃こそ最大の防御−外交交渉だけではなく,およそ交渉というのは守勢だけではダメ,攻めが必要ということだ.そして攻めの姿勢とともに,国際社会ではロジックが大切である.これまた外交にかぎらずグローバルなビジネスの場,外国企業を相手にしても同じことであろう.
日本は少子高齢化,巨額の財政赤字など,世界的にみてまったく絶望的な課題を抱えている.なんとか状況を打開するために,大胆な行動を起こす必要がある.たとえば,百万人単位で外国人労働者を入れるとか,なりふりかまわず思い切った対策をとらなければならないのでは