残業ゼロで自分を伸ばす

残業ゼロで自分を伸ばす! 40歳からの時間術 (PHP文庫)

まず第一に，自分の時間割を持つことだ．第二は，ランチまでに一日の仕事の大半を片付けてみようと考えることだ．第三は，一つの仕事にかける時間を一気に半分にするという手法である．
さらに応用編として付け加えるなら「一週間の中から一日を天引きする」こともおすすめしておきたい．

同僚より一時間か一時間半，早く職場に着く．着くまでに今日の予定を思い浮かべ，一日をシミュレーションする．上司や取引先への「ほうれんそう」は朝一番にしておく．

問題はどのように仕事を割り振るかである．相手に一定の権限を持たせる．具体的に指示し，成果を評価する．相手が二の足を踏んだ場合，なぜ依頼したのか，三つの根拠を示す．

仕事をテキパキと片付ける上でポイントになるのは「とりあえずやってみる」「とにかく始めてみる」という姿勢だ．

何かを依頼された場合，結論は「受けるか」「断るか」しかないので，「考えさせてください」などと返事を保留したり，依頼された件の問題点を冷静にあげつらうようりも，「やります」と即決して行動に移すイエスマンのほうが，依頼した側の心証だってはるかに良くなるのだ．即断即決して行動に移し，行動する中で，周囲のアドバイスを受けながら修正を加えていくほうが，多くの人に支持されやすい．
「なんでもやってみなはれ．やらなわからしまへんで」「成功するのに頭の良さはかえって邪魔．馬鹿になって徹底して取り組む事ができないから」

即断即決して，すぐに動くようにするには，常に三つの根拠を考えるクセをつけるのが近道だ．三つの根拠を示すクセがつくと，あなたの話に説得力が増すので賛同者や協力者も増えてくる．

「最初に井戸を掘った人のことを忘れてはならない」．これまで何かと助けてもらった人が困っていれば，自分のことを後回しにしてでも助けるべきだし，人を紹介してほしいと頼まれれば，その人と会えるようセッティングしてあげるべきだ．一時的には，自分の時間が奪われ，小遣いが目減りするかもしれないが，義理と人情を大事にすれば，それがいつか自分に返ってくることになるし，何より自分自身の気持ちが清清しくなるからだ．