- 作者: 外山滋比古
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/10/08
- メディア: 文庫
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大きな木の下には草も育たないという.大木はすばらしい.寄らば大樹のかげ,という言葉もあるくらいである.近づきたいと思うのは人情だろう.(中略)大木は遠くから仰ぎ見るものと思って,早くその根元から離れる必要がある.(中略)
これは本だけではなく,すぐれた指導者についてもいうことができる.(中略)すぐれた師匠の門下にかならずしも偉才傑物ばかりが輩出するとは限らないのは,大木の枝の下で毒されて伸びるべきものまで伸びないでしまうからであろう.心ある門弟はあえて門外に立つ勇気がいる.
圧倒されそうな影響をもっているものには不用意に近づかないことである.近づいてもながく付き合いすぎてはいけない.
すぐれてない指導者なら言わずもがな.