会社で不幸になる人,ならない人

「自分の持っている能力・スキル・(場合によっては)時間を,会社に売っている」
これが経営者視点で,”経営者としての自分が自分を見た”際の,自分と会社との関係です.
つまり,会社と対等の関係でいられる,ということです.当然,自分に対して少しでも高い能力を要求するので,実力をつけるために努力するでしょう.
(中略)
会社員であっても,常に改善と成長を意識する.そのために有効なのが「経営者視点」ちうひとつのものの見方です.
経営者視点を持っていれば,今現在勤めている会社でなくてもやっていけるでしょう.会社を移るということは,自分の能力を売る先が今の勤めている会社から違う会社になる,ということにすぎません.

「ビジネスは労働時間を売っているのではなく,成果を売っているもの」という考え方を持っていないと,先の「俺はこんなに頑張っているのに〜」という発想に陥ってしまいます.
細かい作業に追われ,それを忙しいと感じている人は,次のことを考えなおしてみましょう.
「自分は何のために会社に雇用されているのか」
「自分は会社から何を期待されているのか」
「自分が今やるべきことは何なのか」
そう考えると,今自分がやっている仕事は,必ずしも自分がやらなくてもいい,という結論になるかもしれません.
自分がやらなくてもいい作業,アウトソーシングが可能な作業を,自分がやらなくてはならない仕事と捉え,仕事の満足感を得る,あるいは「仕事をやりすぎている」と不満を募らせることは,間違っていると思います.
会社が期待しているのは,「時間」や「手間」ではなく,クリエイティビティを発揮して成果を挙げることだということを,自覚しましょう.

能力に関係なく,時間内にそこにいればいい,というような「時給の仕事」は,トレーニングとしての副業としては不向き,ということです.
あくまで副業は「自分の能力をお金に換える」ものでなければ,トレーニングになりません.
また副業に時間を割くことによって本業がおろそかになり,会社員としての成績が落ちてしまっては,何の意味もありません.
副業はあくまでも「トレーニング」と捉えたうえで,積極的に取り組んでみてください.
経済的余裕がなくて目の前のお金を拾っていくといったものではなく,結果的にお金が後からついてくる,というパターンが理想です.

「変える」ではなく,「変わりたいと思うように導く」です.
そして部下に,「こんなふうに変わりたい」と思うようなきっかけをどんどん促しました.
「こんなふうになりたい」と思わせる人を紹介したり,新しい概念で仕事をしている会社を見つけては会話のネタにしたりし,あくまでも部下の内面を刺激するようにしたのです.
よくやっていたのは,さまざまな本から見つけた印象に残るトリガーフレーズをたくさん書き出し,部下に見せることです.
自分から「そうしたい」と思わなければ,周りがいくら働きかけても,人は変われません.上司は,部下を変えようとせずに「変わりたいと思うきっかけ」を与えることに尽力すべきです.

会社選びについてよく若い人から相談を受けることがあります.
「”こちらがお金を払ってでも働きたい”と思う会社を選ぶといいよ」
給料以外の「お金を払ってでも得たいモノ」が,その会社にはあるのか?
その会社から何を得られるのか?
知識? スキル? 人脈?
そしてそれらは40代,50代になった自分の力となるのか?
この点について,よく考えてみましょう.