アイデア創出

アイディアのレッスン (ちくま文庫)

アイディアのレッスン (ちくま文庫)

机に向かって,黙思熟考するよりは,歩いているときの方がよく,同じ歩くのでも,ゆるやかな坂道の方いい.同じ本を読むにしても,当面の問題と縁のないようなものの方が着想を引き出すきっかけになることが多いということも多くの人が経験で感じて知っています.

グループ思考は大切です.日本人の気質に合うのは,お山の大将になるグループ,仲間を作って,そこで,思っていることを,存分に,だれにも遠慮せずに,しゃべるのです.自分でもびっくりするようなアイディアが飛び出してきます.
座談会というのはおもしろい.みなめいめいお山の大将のような気になって,勝手なことをしゃべっていて,思いもかけない新しいことを口に出すことがあります.座談会はアイディアが飛び交ったときがもっともおもしろいのです.
二人で話し合うなら,聞き上手な人と相対するのが最高です.感心してくれる聞き手があれば,それにまさる状況はないと言ってよいでしょう.話している方が調子に乗って,それまで考えたこともないような考えがポンポン飛び出すようであればしめたものです.気心の知れた人,そして専門や仕事のちがう人を食事に招いて,ごちそうするのです.そうすればたいていお山の大将になれます.


畑ちがいの人との交流が良い.近年,異業種交流とか学際的研究とかが注目されているが,もっと素朴な形ながら,同じことをしていない人との談笑が豊かなアイディアの温床である.適当に間をおいて,会って,気楽に,思ったことを話し合う.それが相互にとって刺激的なヒントになり,アイディアを生むきっかけになる.

ブレイン・ストーミングは,まず,課題・問題を設定して始まる.メンバーはめいめいその解決の方法を考え出すのである.初めは勢い良く色々な思い付きが出されるが,やがて少なくなり,ついには,もうこれ以上は考えられない,というところまでくる.しかし,ここで止めない.無理やりなんとか知恵を出すことが求められる.大きな考えが出てくるのは,このいわばロスタイムになってからであることが経験で明らかになっている.

ブレイン・ストーミングって,ロスタイムからが本番なんて初めて聞きました(汗).わぁ〜わぁ〜と話して終わりと思ってました.だって,ブレイン・ストーミングで有効なアイディアを得られた経験なんてありませんし(爆).
とにかくリラックスした状況を作り,脳からの湧き出しを妨げないことが大切なんでしょうね.