疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)

疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)

ビジネスの愉しさは,お金が儲かることではなく,何か新しいことをすると,その結果がすぐに出る,その「反応の速さ」にある.

リスクのないところに決定権はなく,決定権のない人は責任の取りようがなく,責任を取らない人間は「信義」の上に成立する社会関係にはいつまで待ってもコミットすることができない.

心の中が正しくても,行いや姿かたちにそれが外形化していなければ,その「正しさ」は社会的に承認されません.だから日本の「恥の文化」は同時に「型の文化」とならざるをえなかった.

「品格」なんていうと,なんだかずいぶん仰々しいものに思えるかもしれませんが,「品」というのは,要するに「らしさ」の内側にあえて踏みとどまる節度のことです.