一冊

文化としての数学 (光文社文庫)

文化としての数学 (光文社文庫)

電車に乗る直前に慌てて購入しました.あとから思えば,なんと堅苦しそうな本を選んだのかと(笑).数学に関する色々な随筆を集めたものですから,少々重複があるところは御愛嬌です.もちろん内容は一般向けの書物です.
一番興味をひいた一節は,

あるところで子供の生活環境と学科の出来具合との関係を調査したら,算数がいちばん生活環境の影響を受けないことがわかったそうである.
(中略)
これが社会科などになると,生活に余裕があって本や雑誌を豊富に買ってもらえる子供がやはりできるという結果になったという.

これで算数嫌いの子供に言い訳ができなくなりますねっ! 「じゃ,お父さんは?」と聞かれたときの回答を準備する必要がありますが・・・.
”数学は芸術ではなく,あくまで産業のためのものである”という著者の熱い想いも心に残ります.